永遠の愛を(番外編も完結)
何かされたらどうしようと思ったけど、岡田くんは意外にも私を家まで送り届けてくれただけだった。

私を脅した彼だから、もしかしたらキスくらいはされるかも。

そういう警戒心がどこかにあった。

そう思っていた自分が自意識過剰すぎだったと逆に恥ずかしくなるくらい、岡田くんはあっさりと手を振って帰っていった。

私を脅した人とは思えないほどの爽やかな空気をまとって。

やっと緊張から解放されてホッとしたのも束の間、これからのことを考えたらため息しか出ない。

その日は、早く布団に入った。

だけど、眠かったからじゃない。

そして、やっぱり眠れるはずもなかった。

頭の中は、今日起きてしまった出来事でパンク寸前。

先輩とのキスの意味すら分からないうちに、岡田くんに脅され彼と付き合うことになったのだから。
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