永遠の愛を(番外編も完結)
母の実家で祖父母と母と4人で平穏に暮らした時間は長くは続かなかった。

私が保育園の年長さんの時に母は突然姿を消した。

ある日を境に、保育園にお迎えに来てくれるのが母から祖母に変わった。

まだ幼かった私に本当の事なんて言えるはずもない祖母は


“ お母さんはお仕事でしばらくお家に帰ってこられなくなったのよ ”


そんな言葉を私に言って聞かせていた。

私も、その言葉を信じていた。

だけど、いつまで純粋にその言葉を信じていられただろうか。

母が私を捨てるはずがない。

きっとそう思いたい気持ちだけにすがりついていたのかもしれない。
< 19 / 362 >

この作品をシェア

pagetop