永遠の愛を(番外編も完結)
「ま、ゆっくりでいいって言ったしな。焦らず慣れていけばいいよ。
ところで、お腹空いてない?」

そう聞かれた瞬間、私のお腹から盛大な音がした。

彼に伝えたかったことが全て吹き飛んでしまうほどの羞恥に襲われる。

「実は俺も、さっきから鳴ってんだよな。美麻ほど大きくはないけど。」

そう言って楽しそうに笑う彼の笑顔に、こんな時なのに胸がキュンと震えた。

しばらく車を走らせて彼が連れてきてくれたのは、小さな小料理屋。

まだ暖簾の出ているそのお店の引き戸を慶斗さんが開けると、中から女性の優しい声が聞こえてきた。

「いらっしゃい。あら、慶斗くん。」

親しげに彼の名前を呼んだ女将さんが、続けて入った私を見て少し驚いたように目を見開いたけどすぐに微笑みを浮かべ「いらっしゃい。」と声をかけてくれた。
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