隣にいてもいいですか?






「ねぇ、大空、このままここで勉強しない?」




「あぁ、いいよ。」






ってことでこの密室でふたりきりで勉強が始まった。






沈黙が始まってから約10分。





___♪___♪_



かすかに聞こえてくるアップテンポの曲。




「あ!この曲好………き……。」





音のする方を見たら、見事に大空がイヤホンをしていた。



その曲は大空のスマホからの音だった。








「ちょっと大空!自分の世界に入らないで?」




と言ってイヤホンを取った。





「やめろ。」



「ねぇ、お願い。…話そ?」



「……なにを?」







最初は、拒否されたけど

2回目言ったらちょっとニヤケながらイヤホンを取ってくれた。






「あれ、大空、なんでニヤけてるの?」




「別に。ってか、その前にニヤけてねーし。」







「嘘だ!見てたら誰だってわかるよ。
ねぇ、どうしたの?
なんでニヤけた………………た、大空?」







ちょっとしつこくしたら、

両手をあたしの頬にあてて、顔を近づけてきた。




これってまた……もしかして…キス………?




ファーストキスのとき、目を開けたままで大空に塞がれたことを思い出して、

今度こそはと目を閉じた。






…あれ?



と思った時、





「……ばーか。すると思った?」





と、いつもの悪そうな笑顔で言ってきた。









「………別に。思ってないし。」





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