【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う

「あ……」


バスルームから出ると、リビングに暁斗さんの姿が見えた。
とくん、と勝手に反応する私の身体。

きっと、私はもうこの人に惹かれている。
暁斗さんに触れられて嫌だとは思わないのが何よりの証拠だ。

頭の中では、どんな人かもよく知らないくせに、と警鐘がならされているけれど。
それでも身体が、彼にときめくことを止めることなんてできそうにないから。


「美緒?よかったら少し話さない?」

「あ……、はい」


ソファに座っていた暁斗さんが、すぐ横をポンポン、と軽く手で叩く。
普段こうしてリビングで話すことはあったけど、隣に座って、というのは初めてだ。


「あのさ……、今日の、っていうかさっきのこと……なんだけど……」

「は、はい」

「いや……、なんていうか……。うわ……俺、めちゃくちゃダサいよね」

「え?」

「見て、ほら」


そう言って暁斗さんが私に向けて両手の手のひらを見せてくれた。
よく見えないけど、なんとなくしっとりとしているような気が。気のせいかな?


「俺、君にあんなことしちゃった理由を話そうと思って、君がバスルームから出てくるまでの間ずっと考えててさ。そしたら緊張で手汗かいてんの。バカだよね」

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