【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
裏方に当たるとはいえ、アシスタントグループにいる女子はみんなキラキラしていて、仕事ぶりだって大企業の一員らしくキビキビと無駄なく、そつなくこなしている人ばかり。

そんな彼女たちでさえ一目置く存在。
それが秘書室勤務の方々なのだから、実績も見た目もぱっとしない私が異動とはどう考えてもおかしい。

顔も頭もスタイルも、何もかもを兼ね備えた人たちばかりが集められたハイスペック集団に、私みたいな小娘が紛れ込んでいいはずがないのだ。

突然降って湧いたような騒動に、当人である私の他、課長を始め先輩たちや同期のみんな、担当していた企画部の営業さんたちまでもが集まってきていて、朝からちょっとした騒ぎになっていたけれど。


「やっぱり私、どう考えてもこれって何かの間違いじゃないかと思うんですが……」


「ーーーーいいえ、間違いではありませんよ、佐伯さん」


考えれば考えるほど謎が深まり、同姓同名の別の誰かの話じゃないかと疑い始めた私にかけられた一言。
 
振り向けばそこには見るからに品の良さそうな佇まいの男性。
そしてそんな彼が発した鶴の一声とでも言うべき台詞に場の空気は一変する。
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