【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う


「そう言ってくれると嬉しいけど、俺、ホント聞くだけになっちゃっててさ……。聞きづらいついで、と言うとあれだけど、やっぱりお義母さんとはあまり付き合いはないのかな」


申し訳なさそうに暁斗さんが訊いてきた。
一番始めに私が佐伯の家の者だとわかった時、義母とは上手くいっていないと話したのを覚えてくれていたようだった。


「義母とは父が亡くなってからはほとんど会っていません」

「そっか。じゃあ美緒は今はお義母さんとの関係で嫌な思いをすることはないから安心だね。もし過去を思い出しても俺がいるし」

「そ、そうですね」


俺がいるから、なんて暁斗さんはどうしてこういう言われて嬉しくなるような台詞をさらっと言えてしまうんだろう。
こういうところが暁斗さんの優れた洞察力を表しているのかもしれない。

そして彼の面倒見のよさも改めて実感した気がする。
疲れているはずなのに嫌な顔ひとつせず、私の話に付き合ってくれて、私の様子も気にかけてくれている。

最初はちょっと軽薄な何を考えてるのか掴めない印象だったけど、彼を知れば知るほどその溢れる魅力に惹かれざるを得ない、そんな状況になりつつあった。

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