男8人でなにかしたい
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麗斗side


俺たちは本当に、
色々変わったんだなって、
最近すごく思う。

りょうの顔つきがその証拠だ。

前までは目に輝きがなくて、
感情なんてりょうに存在しないのではないか、
そう思ってしまうほどだった。

無理もなかった。

でも今のりょうは違う。

風に吹かれて揺れる少し長めの前髪。

そこから優しい目が見えた。

俺は息を飲んだ。

美しかった。

りょうの目が美しかった。

綺麗だった。

今までで見た中で一番だった。

綺麗で優しい目。


りょう「ありがとう」

ありがとう。

なににかは分からない。

でもその言葉を聞いた瞬間言わずにはいれなかった。

『どういたしまして』

なぜか誇りに思った。

嬉しかった。

自分に向けて言われた言葉ではないかもしれないのに。

でも、言いたかった。

りょう「すげーよな」

『なにが?』

りょう「一年前は梅なんて見向きもしなかった」

『うん』

りょう「でも、みんなと見れてるって幸せだな」

『春のお花見も楽しみだ』

たくみ「夜桜見に行こ」

そう「夜眠いからやだー!」

たくみ「俺は今眠い」

まこと「でも見てみたいかも」

あゆむ「昼も夜も見たいよな」

りょう「あゆむんグッド、どっちも見ようぜ」

かなた「酒盛りぞよ」

ゆう「あほ、飲めねーよ」

『じゃあ行こうぜ』

かなた「え、今?」

あゆむ「あほ、咲いてない」

『高校の入学式の前日がいい』

りょう「へあ?なんで?」

『なんか、今までとこれからを区切りたい』

あゆむ「それもいいかもしれない」

まこと「じゃあそうしよう!」

りょう「今は梅見なw」



楽しい日々を邪魔されない。

みんなが大切な人だから。

りょうの綺麗な目

まことの素直さ

たくみのクールさ

そうの無邪気さ

あゆむの大人っぽさ

ゆうの涼しげな感じ

かなたの天然


みんなが俺の大切なもの。

こんな日が永遠に続いてほしい。

大人になっても。

大人ってなんだろう。

もし大人になるために別れを必要とするならば、
俺は子供であり続けよう。

こんな風に考えるなんて前はあり得なかった。




『ずっと変わり続けよう』
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