男8人でなにかしたい
中3、3月
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亮side



俺たち8人が仲良くなったのは、4月のとき。

いつのまにか互いを必要とし合っていた。

なんで仲良くなったのか。

まあその話はまた今度。

暖かくなり始めた頃。

全員で同じ高校に入ろうと決めた俺たちは死ぬほど勉強して、
寮のある某公立高校に合格した。

そしてみんなで今散歩をしている。

らいと「ほらあそこ、梅が咲き始めたみたいだよ」

まこと「ほんとだ!きれいだねぇ」

そう「まこじじくせーw」

まこと「うるさいな!お前もじじいだろ!」

あゆむ「おら、うるせ」

そう「うるせうるせ」

あゆむ「おめーだよ」

ゆう「あゆむん怒るな」


そんな様子をたくみと見てた。

かなたは拾った枝であゆむの頭をぽこぽこ叩いて怒られていた。

たくみは微笑んでいるように見えた。

『あれ、たく嬉しそ』

たくみ「そうかね、でもそうかも」

『なんかいいことあったか』

たくみ「ん、特になにも

平和だなって思ってた」

『だよな、平和だよな』

ほんと、平和になったよな。

一年前の自分とは大きく変わった。

人を信じることが出来るようになった。

心の底から笑えるようになった。

日とではないと馬鹿にされ、
蔑まれ、
嗤われた。

でも、俺はこいつらがいる。

こいつらがいれば、
俺は俺でいられる。

この8人の中の一人として生きれる。

らいと「どしたんにやついて」

『ふえっ、ごめ、なんもない』

らいと「ほおおおん、それよりほら、見てみ」

顔をあげるとそこには

「「「「「「「わあっ!」」」」」」」

一面に真っ赤な梅が咲いていた。

そう「むちゃくちゃ綺麗じゃん!」

たくみ「綺麗だな」

そう「たくさんが喋った!」

まこと「すごい…」

あゆむ「そうだな」

かなた「ぬあ」

『……ありがとう』

らいと「どした?」

『あ、いや、なんもない』

ありがとう。

なんで言ったのか分からない。

でも、ありがとう。

ありがとう。



そうか


こんな俺を必要としてくれて

こんな俺のそばにいてくれて

こんな綺麗な花を咲かせてくれて



生きてくれて






『ありがとう』

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