車椅子バスケ~希望の架け橋~(翼ver.に変更)


食べる時も争うように食べ出すし。

無我夢中で食べていると
早川兄ちゃんが

「あぁ、食べカスが…手までベタベタじゃないか。
えっと……ティッシュ、ティッシュ。
あ、ウェットティッシュの方がいいか」

慌ててウェットティッシュを探して
俺達に渡してきた。

美堂は、ムカつくが
早川兄ちゃんは、やっぱり兄貴みたいだ。

しかし、その美堂の出会いは、
最悪なものだったが、バスケになると
また違った。

「ちゃんと入れろよ!ボケ」

「うるせー」

もちろん相変わらず喧嘩ばかりだが
思ったより美堂とは、連携が出来ていた。

何故だ……?

すると千花が新垣監督から
聞いた事を話してくれた。

『櫻井君は、この中では、障害が軽く
スピードもバランスもいい選手だ。
しかし、突っ走るところがあり
周りを疎かにしやすい。
美堂君は、逆に障害が重いため、重心のバランスや
シュートが狙いにくい。だが
周りをよく見ていて冷静な判断が出来るし
徹底したブロックが出来る』

『冷静で完璧なディフェンスが居るチームは、
高得点が狙いやすい。
安心して自分達が攻めに入れるからだ。
櫻井君は、美堂君が居るから後ろを気にせずに
相手チームに攻められる。
一見バランスが悪く見えるが……お互いに
足りない部分を補え合えば最高にいいコンビになる』

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