0.0000034%の奇跡



「あ、時間だ、行ってきます!」


セミナーの打ち合わせが入ってるらしく僕より先に出て行く。
玄関まで小走りに向かうも、くるりと踵を返し戻って来た。
もう一度、彼女からキス。
びっくりして目を閉じれなかった。


「あ、グロス付いちゃった」って親指で拭う。
そんな彼女にやっぱり抑えきれなくて抱きしめた。


「襲われちゃうの楽しみにしてる」


「ハハハ、待っててね〜」


って朝からどんな会話してんだよ。
毎日キレイな顔見てると段々自分が女々しくなる。
彼女が言ったように、もう僕たちは夫婦なのに今でもドキドキハラハラさせられっぱなしなんてな。


情けないったらありゃしないけど、人妻になっても関係なしにどんどんキレイになっていく彼女に、ただただ翻弄されて更に独占欲に駆り立てられていくんだ。
もっともっと欲しくなる。


出逢った時から、そんな魔法みたいなものにかかったままなんだけど……?
一生その魔法は解けないんだろうな。


君の全てが僕の人生そのものだから……


最高の幸せをくれた君に、僕は全てをかけて返していく……


2人の未来がたくさんの愛で満ち溢れていますように……





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