0.0000034%の奇跡



「智くんもほぐしてあげる」


可愛く言うくせに仰向けに倒しちゃうんだもんね?
コラコラ、それマッサージじゃないじゃん。


長い髪を耳にかけて僕を見下ろす君は完全な小悪魔。
僕だけが知ってる裏の顔。
艶やかなピンク色した唇が色っぽく誘う。


ゆっくり顔が近付いてキスされると思った。
でも寸止め。
もう触れそうなのに……
唇から徐々に視線を合わせるとフフと笑う。


え?ここでまさかのおあずけ?
そんな事ってアリ?
うそーん………


「してほしいの?」


出た、彼女の主導権。
いつも振り回されっぱなしな僕はこの目に勝てない。
でも、たまには逆転してもいいんじゃない?
そっと体を起こし腕を掴む。


「してほしいし、するの!」


頭の後ろを支えたまま少し強引にキスをした。
たまにはいいでしょ?
大人しくない僕も。
あんな寸止め、待つの無理だから。


激しいキスの後、お姫様抱っこでベッドルームへ向かう。
言っとくけどもう止められないよ?






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