ぎゅっと、隣で…… 
 次の日も、南朋は公園の門に寄り掛かった。

 昨日逃げちゃったから、今日は声掛けてもらえないと諦めていた。


「南朋ちゃん、かくれんぼなら出来る?」優一の声に南朋は驚いて、肯くのが精一杯だった。

 南朋は嬉しさと恥ずかしさが一緒になってしまったのだ。


「おいで」

 優一のその言葉に、南朋は公園への一歩を踏み出した。


「じゃんけんしょうぜ!」


 優一の掛け声に、南朋は鬼になったらどうしよう…… 

 また、不安になって下を向いた。


「翔と、南朋ちゃん初めてだからじゃんけん無しな!」

 優一のその言葉に南朋はほっと胸をなで下ろした。

 でも、すぐにどこに隠れていいか分からず、立ちつくしてしまった。



「ほら、こっち」


 優一の声に、南朋は迷わず優一の後を追った。


 この、背中の後を付いていけば大丈夫…… 

 そんな気がした……
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