キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
ドクンドクンと不穏に高鳴り始める鼓動。
滝本の鋭い視線が、黙り込む私を捉えて離さない。
どうせいずれは帰らなきゃいけない。
いつまでも会長にお世話になってるわけにはいかないんだから。
だけど…だけど────。
「こいつは今、俺の家で預かってる」
「!?!?」
その言葉に驚いた私と滝本が、同時に会長へと顔を向けた。
「……は?どういう……ことですか?」
「どういうことも何も、そういうことだ。俺とこいつは一緒に暮らしてる。俺が家主でコイツは居候だ」
親指で私を指し示す会長にギョッと目を剥く。
ちょっ…ちょっと!?
バカなのコイツ!?
何ご丁寧にバラしてくれちゃってんのよ!?!?
「それってまさか……二人きりなんてことはないですよね?」
「二人だ」
「……っ!」
「か、会長っ!!!」
何で!?
何で言っちゃうのよ!?
そんなこと言ったら、滝本は絶対……。
「……お嬢様。帰りますよ」
私を連れ戻そうとするに決まってるじゃない。
嫌悪感を露わに眉を寄せる滝本。
おもむろに私の手首を掴むと、戸惑う私を強引に連れて行こうとする。
「ちょっと待って!!待ってよ、滝本!!」
「待ちません」
「落ち着いてってば!!」
「これが、どうしたら落ち着いていられますか?」