きみだけに、この歌を歌うよ
火照った顔をそっぽへ向けた。
「ははっ、菜々は相変わらずわかりやすいなぁ」
すると聞こえてきたのは、明るい笑い声。
なんで…。
私の気持ち、バレてる。
九条くんの手がぽん、と私の頭に乗っかった。
ドッドッド、と小刻みに鼓動していた私の胸。
九条くんに頭をぽんぽんされた瞬間、バクバクと激しくなりはじめた。
「ほんとに……寂しくなんかないんだからねっ!」
わかりやすいって……私、寂しそうな顔してた?
そうだとすれば…。
恥ずかしくて……目が合わせられない。
「あれ、違った?そういうとこ、可愛いと思ったんだけどなぁ」
「……っ」
……なんなんだ、この尋常じゃない胸の高鳴りは。