きみだけに、この歌を歌うよ
「ぜんぜん行かないな。人混みって好きじゃないから」
「えー、そうなの?だったら、人が少ない場所で花火がよく見える場所知ってるよ〜?」
優乃ちゃんは、九条くんと一緒に花火大会に行きたいんだろうな。
ちなみにその花火というのは、私と九条くんの家の目の前にある海上で上がる。
12000発も上がるから迫力もすごくて、私の部屋の窓からもよく見える。
来場者数も10万人もの人が集まるから、浜辺はもちろんその周辺の公園だったり道沿いだったり。
例年、数えきれないほどの人が家の近くに集まる一大イベントだ。
「まぁ、気が向いたら部屋の窓から見るしわざわざ行く必要もないかな」
「えぇーっ、部屋から見えるの?いいなぁいいなぁ!私も一緒にみたーい!」