きみだけに、この歌を歌うよ
九条くんが奏でるギターの音が、ぽろり、ぽろりと響く。
のんびりとした音は、春の風の温かさを感じるような優しいメロディだ。
むくれっつらだった私も、思わず身体を横に揺らしてしまうような落ち着いたメロディ。
「波の音にさそわれ、現れた笑顔のきみ。まるで光のようで、どんよりとした空に、差し込む晴れ間のようだった
」
優しい音にのせられた九条くんの、柔らかい声色がマイクを通して広がる。
この歌が、九条くんがたくさんたくさん練習した歌。
発声障害と闘いながら、毎日毎日練習してたんだなって伝わってくる。