オオカミ彼氏

オオカミ事情

お母さんによる必死の説得によって、お父さんも桜庭くんの同居を許可して…






「それにしても日向くんは沢山食べるね」


「…あ!ごめんなさい!」


「いやいや、育ち盛りなんだ。もっと食べなさい」


「ありがとうございます!」



夕食。
すっかり桜庭くんとお父さんは仲良くなったようだった。



隣に座っているお母さんが、私をつついて、



「それにしても本当にイケメンね」



ワクワクした表情でそんな事を言ってきた。

私は、ふぅ、と短くため息をついた。


桜庭くんの秘密を知ってるのは私だけ。

もしこの秘密がバレたら、桜庭くんは家から追い出されてしまうかもしれない…。

そう思うとヒヤヒヤしてたまらなかった。



「ごちそうさま」



私は一刻も早くこの場から離れたくて、すぐにご飯を食べて、自分の部屋に向かった。



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