神様修行はじめます! 其の五のその後
 急激に気温が下がったせいか、周りのウツボカズラたちの動きが鈍り始める。


 葉や茎の表面にみるみる白い霜が浮き出した順から、力尽きたように次々と落下していった。


「凍雨くん、すごい!」


「しょせん植物ですからね。どうしたって冷気には弱いんですよ」


「よし、今のうちに穴爪ネズミを捕まえ……ああぁぁー!」


「ど、どうしたんですか天内さん? オペラ歌手の発声練習みたいな声出して」


「ネズミが落ちる!」


 あたしの目の前で、穴爪ネズミがヒューッと落下していく。


 急に気温が下がったから、きっと穴爪ネズミも意識を失っちゃったんだ!


 あぁもう面倒くさいヤツだなほんとにー!


「絹糸、追っかけて!」


「我にしっかりつかまっておれ!」


 ボタボタと落ちるウツボカズラの雨の中、絹糸が急降下して穴爪ネズミを追う。


 落ちる物体のスピードよりも速く飛んでるから、こっちも落下しているのと同じだ。


 すごい勢いで顔に風がぶつかって、耳鳴りがゴウゴウする。


 風のせいで髪の毛ぜんぶ持っていかれそう! 安全装置なしの絶叫マシンに乗ってるようなもんだよ! 死ぬ! 死ぬ! マジで死ぬ!
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