恋し、挑みし、闘へ乙女
「破談の話だよね?」
「ええ、やはり黒幕は……」
乙女の顔を見ながら綾鷹がコクリと頷く。
「黒棘先だろうね。『御前』と呼ばれたのは奴だろう。となると間違いなく月華の君関連だ」
やっぱり、と乙女はウンザリした顔をする。
「不貞をでっち上げ、破談に導き、貴方と蘭子さんとの縁談を進めるためですよね?」
「おそらくね」と綾鷹が肩を竦める。
「忌々しい! よりにもよって不貞って……」
怒り心頭の乙女に綾鷹がクッと笑いを零す。
「悪い! 処女なのに……の言葉を思い出したら笑いが込み上げた」
乙女はムッとしながらもアレッと首を捻る。
「でも、私と月華の君とのお見合いは成立しないんじゃないですか? 不貞女とレッテルを貼られた女ですよ」
「確かに、普通ならね」と言いながら、綾鷹は「先日のお見合いを思い出してくれ」と言う。
「ん?」と乙女がクエスチョンマークを浮かべる。
「あの場に月華の君がいたことは確かだ。だから、『婚ピューターが選んだ彼女の本当の見合い相手は月華の君。不貞を働く不埒な女』とでも言いふらして、月華の君の評価を落とそうとしたのだろう」
「ええ、やはり黒幕は……」
乙女の顔を見ながら綾鷹がコクリと頷く。
「黒棘先だろうね。『御前』と呼ばれたのは奴だろう。となると間違いなく月華の君関連だ」
やっぱり、と乙女はウンザリした顔をする。
「不貞をでっち上げ、破談に導き、貴方と蘭子さんとの縁談を進めるためですよね?」
「おそらくね」と綾鷹が肩を竦める。
「忌々しい! よりにもよって不貞って……」
怒り心頭の乙女に綾鷹がクッと笑いを零す。
「悪い! 処女なのに……の言葉を思い出したら笑いが込み上げた」
乙女はムッとしながらもアレッと首を捻る。
「でも、私と月華の君とのお見合いは成立しないんじゃないですか? 不貞女とレッテルを貼られた女ですよ」
「確かに、普通ならね」と言いながら、綾鷹は「先日のお見合いを思い出してくれ」と言う。
「ん?」と乙女がクエスチョンマークを浮かべる。
「あの場に月華の君がいたことは確かだ。だから、『婚ピューターが選んだ彼女の本当の見合い相手は月華の君。不貞を働く不埒な女』とでも言いふらして、月華の君の評価を落とそうとしたのだろう」