つちかぶりひめ

送った便りは、早々に返事が返ってきた。
内容は、次の大安の日にまた来訪するとのこと。
つまり、さくの縁談が上手く進んだのだった。

その便りを聞いたさくは、早々に支度をし、村へと抜け出していった。


「えっ、さく姫様ご結婚するのか!?おめでとう!」


「ありがとう…!けど、もうここには来れなくなってしまうと思う…」

「姫様……」


村人たちに一通り挨拶をする中、寂しそうに笑うさくに、村人たちも寂しそうな顔を見せる。村の子供たちに至っては半泣きだ。


「あとは…誰か最近よく見る牛車って、今日来てるか知っていたりする?」

「ああ、そういえば先ほどちょうどいつもの場所に止めていらしたよ」

「ほんとに?ありがとう」


村人から話を聞き、さくは宿へと向かう。そうして畑まで来たところで、木々の間から小声で名前を呼ばれた。




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