つちかぶりひめ


にこっと笑ってガッツポーズをするさくに、少年は目を大きく見開いた後、込み上げてきた笑いに身を委ねる。


「後悔しないようにか…うん、そしたらもうちょっと頑張ってから決めようかな」


「うんうん、それが良いと思うよ!!」



「さく姫様ー!さく姫様どこにいらっしゃいますかー!?」

少年が笑ってくれたことに自分も嬉しく思ってさくも笑っていると、遠くから聞こえる自分を探す声。


「私もう行かなくちゃいけないみたい!またね!」

「あっ…」



少年が引き止めようとするも、さくはあっという間に声のする方へ去っていく。

その後ろ姿を見つめたまま、少年はある決意を胸に刻んだのであった。



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