ネコと教師

――そんなことを考えているうち、少しまどろんでしまっていたらしかった。

車の窓ガラスをこんこんと叩かれて目覚める。

「せんせー。お風呂入りたいんだけどさあ。下着、換えがないんだよね。パンツだけでいいから、コンビニかどっかで買ってくんない?」

(ああ、先生。やっぱり、おれは半人前です)

たのむから、早朝の静けさの中で大声でそんなことを言いながら、おれを「先生」と呼ばないでくれ……。

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