甘く、蕩ける。
貴方の理解力
「た、ただいまー・・・」

おそるおそるドアを開けて中に入る。リビ

ングには、コンビニで買ったらしいのり弁

当を頬張る旦那がいた。

「遅かったな。これ、差し入れ」

思っていたよりも全然怒っている様子はな

い。その代わり、渡されたのは私の嫌いな

微糖のコーヒーだ。

「・・・ありがと」

呆れて笑いも出ず、二階にある自分の部屋へ

と上がっていった。

ドサッ

「はあ~~~・・・」

ベッドに身を投げ出す。微糖のコーヒーには

口をつける事なく、瞬くんがくれたココア

を飲んでいた。

「・・・全っ然分かってないよ。バカだ

な・・・」

瞬くんは私が言わなくたってココアをくれ

たのに、旦那は交際していた時から微糖の

コーヒーばっかりくれる。微糖のコーヒー

だけが嫌いなんじゃない。私はブラックも

嫌いだ。どっちも甘さが全くなくて美味し

くない。
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