計画的恋愛
だが肝心の暁君はそわそわしながら待てども一向に現れない。

もしかして卒業式のこと忘れちゃったかな……。


「卒業生、退場」

そんなことを考えているといつの間にか卒業式が終わってしまった。

指示通り席から立ち上がり体育館から出ると、すぐに私は目を見開いた。

ビシッとスーツを格好良く着て、大きな花束を持っている暁君が視界に入ったから。


「ひよ、高校卒業おめでとう」

暁君は笑顔でそう言いながら私に持っていた大きな花束を渡してくれた。

「ありがとう……綺麗……」

「春からは大学生だね」

「ずっと勉強を教えてくれた暁君のお陰だよ、ありがとう……」


告白するタイミングは今だな。

胸の奥が恋の終わりを迎える寂しさからか、痛みを感じ始めた。

周りが卒業と新たな旅立ちに心を踊らせている中、私はフラれるのか……。

よし、フラれよう。
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