計画的恋愛
そんな暁君が中学生となった私の家庭教師をやってくれることになった。

小学校高学年になってからは遊んでもらうことも無くなって、毎朝学校に行く時間が同じようで家の前で会うけれど会話もほとんど挨拶だけ。

それに暁君を部屋に入れるのは初めて。

緊張する……。


「今日から宜しくお願いします、暁先生」

私は玄関で深々と暁君に挨拶。

「中学校入学おめでとう。暁先生なんて畏まらないで。いつも通りで良いから」

顔をあげると優しい笑顔で返してくれた。

「ありがとう…」


8歳上だから暁君は既に成人の20歳。

暁君はやっぱり大人だな。
そして格好良い……。


「俺は暁君が家庭教師をやること許してないぞ!あんな小さな部屋にひよりと二人っきりにさせられるかっ!」

暁君に見惚れていると、私の6歳上の兄の壮亮(そうすけ)が私の横で暁君に向かって吠えた。


「壮亮は黙って自分の勉強してきなさい。大学に入れたのが奇跡なんだから。それにひよりにアンタが勉強教えられるなら暁君に頼む必要なんて無かったんだからね。バカなアンタがわるいのよ。それよりも大学を落第したら許さないから」

「うっ……!」


私のお兄ちゃんは致命的なバカなのだ。
高校の時は毎年進級出来るかも危うかった程。
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