クールな部長は溺甘旦那様!?
「それなら助かる」

とホッとした顔で意表をついた返事が返ってきた。

剣持部長は就任してから多分、あまり寝ていない。暗いところではわからないけれど目の下にうっすら浮かんだクマがそう物語っていた。彼はかなり期待されている人で、早々に山のように仕事を抱えているに違いない。だったら、とっとと仕事を片付けて早く休んで欲しかった。

「じゃあ、会社に行きましょうか、再出勤です!」

会社に戻ると思うと気が重い。そんな彼の思いを吹き飛ばすように私が明るく元気に言うと、剣持部長はほんの少し口元に笑みを浮かべた。
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