クールな部長は溺甘旦那様!?
「ないですよ、今は」

「ない? どういうことだ?」

剣持部長の表情が一瞬怪訝に曇る。私の答え方が悪かった。ホームレスだと誤解されても困るし、私は言葉を付け足した。

「同棲してたマンションを出たんで、今は住所不定です」

「なるほど、そういうことか。ふぅん、だったらなおさら好都合だったな」

そこでようやく彼がニヤリと笑った。なにかを企んでいるようで、それがなんなのか知りたくてもどかしい。

「だから! いったいさっきからなんの質問を――」

「さすがに交際相手がいたのなら、申し訳ないことをしたと思って聞いただけだ」

申し訳ないこと? ま、まさか……私、自分の記憶のないところで一夜の過ちを――?
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