クールな部長は溺甘旦那様!?
私、松川莉奈じゃなくて剣持莉奈になっちゃった……あぁあ! 信じられない!

心の中でそう叫びながら、しばらく呆然とその証明書を眺めた。いくら見返したところで変わらないものは変わらない。出社時刻も刻々と近づいてきて、私はそれをバッグにしまうと、落胆を隠せないまま会社へ向かった。


いつもと変わらない風景、いつもと変わらない社内なのに百八十度変わったのは、私の人生だった。結婚宣言をされて数時間経った今でもまだ夢なんじゃないかと疑いたくなる。

今朝、あの後、お互いの連絡先を交換してから剣持部長は、出勤前に青山にあるマンションへ移動するとかなんとかで忙しなくタクシーで出て行った。

私に気を遣ったのかと思ったけれど、どうやら移動したマンションは、早朝から会議があるところに近いところのようで剣持部長曰く、いい仕事をするには時間を効率よく使いこなす事、だそうだ。
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