クールな部長は溺甘旦那様!?
いつまでもくよくよ考えていても仕方がない! 仕事に集中しなきゃ。

エクセルの画面を開き、作業に取り掛かろうとした時だった。出鼻をくじくように外部から一本の電話がかかってきた。直接営業部にかかってくる電話は、主に取引先のことが多い。私が素早く受話器を取ると、それは剣持部長関連の会社からだった。

『株式会社マリクルの佐々木です。剣持さん、今、いらっしゃいますか?』

受話器から落ち着いた中年男性の声がする。剣持部長に用事があってかけてきたみたいだったけれど、生憎彼は朝から他社で会議だ。いつ戻ってくるかもわからない。

私が申し訳なくその旨を伝えると、佐々木さんは恐縮したように電話口の向こうで小さく笑った。
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