私たちのstory
夏葵「架空の記憶を入れてしまえばどうなるか?簡単なことですよ。本当の記憶が戻らなくなります」



里菜母「やっぱり...」



予想はしていたのね




愛美莉「どうして...?」



それも簡単なこと



夏葵「架空の記憶が入ればそれは傍から見れば架空の記憶ですが、里菜さん本人からすればなんの変哲もないただの記憶として確立されてしまうんですよ

簡単に言えばコップに水が満タンに入っている状態でさらに水をいれば零れてしまうでしょう?それと同じです


既に確立された記憶に新しい記憶が入ったところでその記憶は空白の時間という器には入らないんです


それが起きた場合どうなると思いますか?」



愛美莉「どうなるのよ!」



だから怒鳴るなってさっきから言ってるじゃない


夏葵「脳の中にはどこの器にも入れなかった記憶が宙に浮いている状態になります


だから次に外傷が怒った場合、また精神的にストレスがかかりすぎた場合はどこかの器と入れ替わることも有り得るんです


脳は賢いですから入れ替わったとしてもそれに合うように記憶を改竄していきます


そんなことになれば里菜さんは一生色々なことから制限されて生きていくことになります


外傷が起きないように人混みには行けない、体育は出来ない、終いには事故に遭う可能性まで考慮してしまうようになる


それはりなさんに家から出るな、と言っているのと同義なんですよ」
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