アーモンド~キミとの物語~


「で?3人は執事の格好しないの?」

ほのかが楽しそうにニヤッとしながら聞く
その横で秋斗が「お前な…」と呆れた様子で呟く

でも実際は秋斗も気にしていた

「えええと…」

「オレはパスしたっス」

「私は楽しそうだったんで衣装作りに回りましたね」

戸惑う千咲をよそに愛未と創汰はサラッと答える
創汰はもちろんめんどくさいから
愛未は衣装作りのほうが楽しそうだから、という理由だ

千咲もデザイン担当を任されており当日のシフトには入っていない

「人手が足りない場合はお手伝いする形になるんですけど執事の格好をするかは…まだ」

それぞれ何の担当が決まっている3人
千咲はちょっとだけ興味があったものの自分の担当が何かと忙しく感じていた

それでも絵を描いて誰かの役に立てるならそれでいいと思っていた

「あら、残念。3人が執事の格好するなら見に行こうかなって思ってたのに。ね、秋斗」

「なんでオレに…」

聞くの、と最後まで言おうとした時にほのかがこっそり耳打ちしてくる

「千咲ちゃんの執事姿見たいと思わない?」

クスッと笑いながら言うと秋斗は「それは…」と渋る様子
秋斗も少しは気になっていたが見たいような見たくないような複雑な気持ちになっていた

「当日次第なんで今はまだ分からない感じですよ?」


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