アーモンド~キミとの物語~


「まだ文化祭の準備も終わってないんだからこんなにところでサボってちゃダメだよね」

文化祭当日まではまだ時間があった
準備も終わっていない

気を遣ってまで避ける必要はないが千咲は秋斗と顔を合わせにくかった

教室へ行けば愛未や創汰もいる
だけど二人は何も聞いてこない

(……ダメダメ。やっぱり巻き込みたくないや。文化祭終わったらちゃんと説明しよ)

意を決して教室へ戻ることにした

準備であちこち忙しく教室には人がまばらにいる
なるべく3年の教室に近付かないように遠回りをして空き教室の方を行くことにした

するとドンッと誰かにぶつかる

「わっ…」

「あ、ごめん…って千咲ちゃん?」

(この声…)

千咲がぶつかった相手は今避けていた秋斗だ
秋斗はすぐに千咲の様子がおかしいことに気付いた

「あ、の…」

「千咲ちゃん最近オレのこと避けてる?」

直球な質問に千咲は答えることが出来ない

(こんなところ真嶋先輩に見られたら…)

なにをされるか分からないと考えて声が出なかった
千咲はほんとは秋斗たちと一緒にお昼休みを過ごしたかった

だけど楓から近づくなと言われている限り避けるしかなかった

「……っごめん、なさい!」

バッとその場から立ち去る

「千咲ちゃん!?」

秋斗は追いかけることにした
幸い空き教室棟には二人しかいない


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