アーモンド~キミとの物語~
そして秋斗とほのかが現れる
二人とも呆れた様子だ
楓はなにも言わずに黙る
「真嶋、お前ほんといい加減にしろよ」
「し、志麻くん、これはね。萩原さんに迷惑掛けられてないか心配で…」
「オレがいつ迷惑だって言った?」
「え…」
いつもの優しい秋斗とは違っていた
まるで大事なものを守るように口調が強い
そして楓にハッキリと告げる
"二度と千咲に近付くな"とハッキリと強い口調で
「千咲ちゃんはオレたちにちゃんと友達になりたいって言った。卑怯なマネはしてない」
「……っ」
「秋斗先輩…」
「次こんなマネしてみろよ。女でも容赦しねぇからな」
(こんな先輩初めてだ…)
楓は諦めたかのように去っていった
秋斗は「とりあえず保健室行こっか」とうながす
千咲の叩かれた頬が痛々しく感じていた
切れた唇から血が滲んでいて秋斗は申し訳気持ちになっていた
それでも必死になって楓に食らいついた千咲にちょっとだけ感動した
保健室に着くと手当をしてもらう
付き添いで秋斗が一緒に入る
「はい、もう良いわよ。萩原さんがケガなんて珍しいわねぇ」
「あはは…」
苦笑いして誤魔化す
さすがに殴られたとは言えなかった
高校生活でこんな楽しい期間でトラブルは避けたかった
こんな痛み大したことないと思っていたからだ