アーモンド~キミとの物語~
特に秘密というわけでは無いが出来れば知っている人は少ない方がいいと思った千咲なりの配慮だ
「いや、いいんだよ?女性がメンズファッション誌読むってそこまで珍しいことじゃないからね」
「……そうですかね?」
「なに読むかなんて人それぞれだよ」
秋斗の優しい言葉にホッとする
いま描いているものが完成したら一番に秋斗見せようと思っていた
千咲は秋斗が持っていた荷物を見てハッとする
一泊は出来るくらいの旅行カバンらしき物を持っていたからだ
「……秋斗先輩はどこかお出かけですか?」
「あ、これ?さっき帰ってきたばかりなんだ」
「そうなんですね…」
「ちょっと知り合いのところに行ってきてさっき帰ってきて、ふと本屋来たら千咲ちゃんを見かけたってわけ」
「私、へんな顔してませんでした?」
「んー、すごく真剣な感じだったよ」
秋斗の掛け声に気付かないほど真剣になってた自分が恥ずかしくなっていた
(うわぁ…。私ってばバカだなぁ)
「とりあえずここじゃお店に迷惑掛けちゃうから外行こっか?」
「そうですね」
本屋だと他のお客さんにも迷惑掛けるため、近くの公園にやってきた二人
ちょうど日陰になっていたベンチに座る
「ちょっと座ってて?」
「あ、はい…」
すると秋斗はどこかへと歩いていく