浅葱色が愛した嘘




そして、いつしか今宵は満月。




沖田も土方も桔梗には外に出るなの一点張りだった。


長州の人間が今日、動くと知っていながら、二人とも屋敷にいる。




それは何よりも桔梗を守るためだった。






『すまない、総司。


頼むから行かしてくれないか?』





『ダメ。

そんなの僕が絶対に許さない。』




何度、このやり取りをしたのだろう。


沖田はずっと首を立てには振ってくれない。





『今、行かなきゃ終わらない気がするんだ。』





今日で全てに終止符が打たれる。


桔梗はそんな気がしてならなかった。



< 160 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop