誓約の成約要件は機密事項です
見た目は普通のハイブリッドカーの内装は、革張りで高級そうだ。シートの座り心地も、実家の軽自動車とは違う。内装を、アップグレードしているようだ。
「送った?」
「え?」
運転手に乗り込むなり、涼磨はスマートフォンをかざした。
「あ、いえ、まだです」
仕事と同じで、ペースが速い。急いで手帳を取り出し、涼磨の連絡先に自分の連絡先を送ろうとする。
涼磨が教えてくれたのは、メッセージアプリのIDと電話番号とメールアドレスだった。自分も、全部伝えなくてはならないのだろうか……。
普段、一辺に出すことのない個人情報の量に戸惑う。
一瞬悩んだが、副社長ともあろう人が社員の連絡先を悪用するとは、考えられない。つべこべ言わず、全部知らせておくことにした。
どうせ会社の中でも仲の良い人たちは、メッセージアプリのIDを知らせているし、人事部には、電話番号とメールアドレスを伝えている。副社長という立場があれば、調べようとすれば、簡単に手に入れられる連絡先だ。もったいぶって教えないというのは、過剰反応だろう。
というよりも、うんうん考え込んで涼磨を待たせるというプレッシャーに勝てない。涼磨は、車を動かさず、千帆からの連絡を運転席で待っているのだ。
「ああ、来たな。では、車を出す」
「お願いします」
「送った?」
「え?」
運転手に乗り込むなり、涼磨はスマートフォンをかざした。
「あ、いえ、まだです」
仕事と同じで、ペースが速い。急いで手帳を取り出し、涼磨の連絡先に自分の連絡先を送ろうとする。
涼磨が教えてくれたのは、メッセージアプリのIDと電話番号とメールアドレスだった。自分も、全部伝えなくてはならないのだろうか……。
普段、一辺に出すことのない個人情報の量に戸惑う。
一瞬悩んだが、副社長ともあろう人が社員の連絡先を悪用するとは、考えられない。つべこべ言わず、全部知らせておくことにした。
どうせ会社の中でも仲の良い人たちは、メッセージアプリのIDを知らせているし、人事部には、電話番号とメールアドレスを伝えている。副社長という立場があれば、調べようとすれば、簡単に手に入れられる連絡先だ。もったいぶって教えないというのは、過剰反応だろう。
というよりも、うんうん考え込んで涼磨を待たせるというプレッシャーに勝てない。涼磨は、車を動かさず、千帆からの連絡を運転席で待っているのだ。
「ああ、来たな。では、車を出す」
「お願いします」