なぎさ-代わり者生活-
私がいつも家に帰るのは
夜中の12時すぎくらい

『ただいまー』

「おかえり」


そっけなくそう返事するのは
母親
リビングにパソコンと大量の資料を広げて
いつも忙しそうに仕事している

だから、私たちが話すことなんて、
ほぼない。
目もあわせない。






でもそれは、忙しいからなんかじゃない。

勉強もスポーツもできない私に
興味がないから。


でも興味をもってほしいとも思わない。
家がある
食べるものがある




高校二年の私にとって
それだけで充分だ



母親としての愛だとか、
そんなものはいらない
< 3 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop