Heart


心無しか、肺と同じくらい心臓も聞かれているような感覚がした


バクバクとした心臓はなかなか落ち着いてくれない


いつもよりも聴診の時間が長いように感じる、たぶん長い



龍太「結愛、深呼吸頑張れる?」



コクリと小さく頷き、吸入しながら深呼吸を繰り返す



その時



「アウゥ…いっ」


遥太「どうした?結愛ちゃん」


私は一瞬、心臓が握り潰されるような痛みを感じ、声をもらしてしまった


何度も経験はしているが、龍太さん達に見られているところでなるのは初めてだった


「ハァハァハァハァ


なん…でも……ない………で…す…………


ハァハァハァハァ…ゲホゲホッ」


龍太さんの綺麗な顔には額にシワがよっていて、明らかにいつもの優しい龍太さんの顔ではなかった


龍太「…………

もういいぞ

キツかったな、お疲れ様

検査は落ち着いたらやろうな、今日はもう休もう」



いつもの優しい表情に戻った龍太さんにそう言われると、なんだか安心して、急に瞼が重たくなった



龍太「もう寝ていいぞ

安心しな」



遥太「お疲れ様、結愛ちゃん」



私は龍太さんの白衣を握りしめたまま瞳を閉じた



< 317 / 363 >

この作品をシェア

pagetop