Heart

龍太side





結愛が眠った後



俺は部屋を後にした。




(まだ熱はあるし


身体中の打撲が痛そうだ。


詳しいことはもう少し後になりそうだな)




リビングに行くと



和也が険しい顔で



電話をしていた。




「あぁ、わかった



またこちらから指示を出す


それまで動くな」






「何があった、和也」





「若、ご報告いたします」



和也が立て膝をつき




俺を見上げる。





「隼人からの情報です。



結愛様の存在を知った瀬尾組が



動きを見せました。



結愛様の両親を拘束した模様。



どういたしますか」




結愛の両親は



結愛が俺らの元に渡ったことを知らずに



呑気に生活しているようだった。



もし彼らが自分たちが3000万で売った娘が



買った本人の手元にないことを知ったら




自分たちの身を危ぶむであろう。



「結愛の両親は放っておけ


殺されはしないだろ


どのみちそいつらは情報を持っていない」




「承知」



「それと、隼人と仁をここに集めろ」




「今向かっております」




「結愛様はどうなさいますか?」




「遥太の病院に連れて行く


あそこなら安全だし



結愛に検査を受けさせる必要がある」




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