バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
目が覚める、時計を確認すると4時だ

一瞬、夜か朝かは分からなかったが、どうやら朝のようだ

外は相変わらずの雪で日もさしていないのに薄明かるくグレーだ、

ひどい雪さえなければ俺にとっては最高の天気だ

横で静かに寝息をたてる女の横顔を確認する

目を閉じていると、とても無防備で起きているときとはまた違った印象だ

(こんな顔を俺に晒すなんて…)

フツフツと沸き上がる落ち着かない感情の意味がよく分からない

女はまだまだとても深い眠りのようだ、
無理もない昨日は吸血されて時間を忘れるほど攻め立て味わい尽くされ気を失っていたのだから…

その顔を見つめながら、みてニヤニヤと落ち着かない口角、


女が起きたら風呂に入れて全身を洗い、
(といっても俺が全身なめ回し汗やら何やらの体液も残ってはいない)

肉を沢山食べさせ、

なんなら鉄分やミネラルサプリメントも飲ませ、

そうして、もうひと眠りさせたあとに、

今度は昨日吸血しそこなったウエストから味わおうか、

いや、その前に昨日攻められなかった所をじっくり攻め立て快楽をよーく味わせてからのほうがより美味くなる

内腿からも吸血したい、

後ろから貫きながら吸血するのも良さそうだ

(ただし、今度はもっと注意してくれぐれも壊さないようにしなければ…)

などとたかが人間、いってしまえば餌にこんなにわくわくして想像をめぐらせ目を開けるのを心待ちにするなんて初めてだ

(あぁ、早く起きてまた俺を見つめて昨日みたいな表情で話しかけろ)

しかし、寝息は深く規則正しく一向に起きる気配はない

(それならば、今のうちに食料の調達に行くか)

感じる体温とは非常に離れ難いが、今は頭の中のアイディアを実行させたい

この様子ならまだまだ起きないことが予想されるのですぐに戻ってまた横になればいい

俺は昨日の面倒くささとは違い、軽い足取りで大雪の中へ歩みを進めるー
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