バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
「首輪洗っておいたよ~」

(俺じゃなくて彼女に付けてやりたい…)

艶を取り戻し、肌に馴染んだ首輪を二人の子供が協力して俺に取り付ける

本来は屈辱的なものかもしれないが、俺は人に何かをもらったのは名前同様初めてでどうすればいいかわからずなすがままになっている

女と子供達との生活はとても穏やかだった

女は俺が見る限り毎日忙しくしていたが、子供達は健やかに育っている

「ロキ~、あおってどんなかんじだっけ?」

(今俺に聞くな…)

子供達は俺を恐れずに接する

人間の子供の成長の一段階なのだろうか、母親と眠るのを嫌がり出した

(しかし、なぜ俺を…?)

(俺はあっちの方がいい)

仕方ないので、共にベッドにつく

子供達は5分とたたずに寝る

それを確認するように頭を撫でると、俺は別の部屋に移動して背中の横に丸まって朝までその熱を感じ匂いを嗅ぎながら眠る

まるで女を抱き締めているようだ

俺はヴァンパイアだから当たり前だがドッグフード何て食べない
でも、女と子供達は毎朝空っぽの皿にドッグフードを入れる
俺はそれを夜中にこっそり屋根に捨てる、すると朝には小鳥がやって来て証拠を消す

女の匂いは穏やかで安らぎさえ覚える
この時に身を任せて、このまま獣として生きていこうかとさえ思えてくる

しかし、約ひと月に一度女の匂いは徐々に俺を誘い出す
そんな時の女の風呂上がりの匂いなんて最低だ
日に日に強くなる俺を魅了する匂いは、やがて俺を惑わす血の匂いとなる

俺はその匂いに当てられてまた女を壊してしまうかもしれない
だから、そうなる前に姿を消してまた落ち着く頃に女の元に戻る




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