バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
「ごめんなさい…」
「また何にも覚えてないの」
彼女は申し訳なさそうに言う、そして二年前パニックになって俺にひどいことを言って追い出してしまったと謝る
「ずっと会いたかったの」
「!」
また前みたいに拒否され、怖れられると思っていたから落ち着いた女の態度は予想外で頭が混乱している
「名前は?」
「ろ…、」
「ろイド」
ロキと言いそうになって誤魔化す、俺が拒否されてもロキとしてならこのまま側にいられるかも知れないから
「眼鏡を知らない?」
「…もってる…」
あの日俺はペットボトルと一緒にいつの間にか眼鏡も持ち帰っていた
「返してくれますか?」
「あぁ…」