Perverse
ホテルのモーニングを2人で食べる雰囲気にもならず、隣にあったコンビニでオニギリを買って、そのままタクシーに乗り込んだ。



昨夜に引き続き今日も…。



車内は終始無言。



呼吸さえも響くほどの静けさだ。



運転手さんも少しは気を利かせてラジオの一つでも付けてくれればいいのに。



それは私の勝手な心の叫びなのだけれど。



本当のことを言うと、私は早速後悔していた。



昨夜のことをリセットすれば、今までと変わらずに柴垣くんと接することができる。



柴垣くんに負担にならずにすむと勝手に思ってた。



泣く泣く出したその結論が、こんな雰囲気を引き起こすとになるとは。



素直に柴垣くんの話に耳を傾けていればよかったのか。



けれどそれでは私の気持ちがもたなかっただろう。



いろいろ頭の中で考えを巡らせるけれど、今さら自分で言った言葉が消えてなくなってくれるわけじゃない。



結局、出張最終日は必要最低限の会話のみで福岡を後にすることになり…。



帰りの飛行機とタクシーでは無言と昨夜の寝不足も祟ってか、抵抗する間もなく睡魔を受け入れた。



「バカ女…」



夢の中で柴垣くんからの言葉矢を受けながら…。
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