Perverse
「津田さんっ。さっきからなに黙ってんですか」



「津田さんも三崎さんを褒めちぎってましたよね」



「俺に振るなよ。でも確かに三崎さんは素敵だと思うよ」



津田さんは変わらず穏和に言葉を紡ぐ。



「津田さんって俺より長くアイツと一緒にいるのに、本当にそう思ってんですか?」



柴垣くんの声は少し強い気がしたけれど気のせいだろうか?



「アイツは高嶺の花なんかじゃないっすよ。どちらかと言えばプライベートはネガティブなダメ女です」



「柴垣はまるで三崎さんのこと知ってるふうに言うんだな」



「いやいや、俺はアイツのプライベートなんて知らないっすけど」



軽く笑いながら柴垣くんはそう言ったけれど、私には確信のように聞こえた。



「結局アイツはただの女だと思いますけどね」



その言葉は賛否両論あったみたいだけれど、私はそれを聞いた瞬間に涙が溢れてきた。



柴垣くんなんて意地悪なくせに。



顔も思い出せないくらい長い間ここにいなかったくせに。



私のことなんて何も知らないくせに。



なのに私のこと…。



誰よりも知ってるなんて…ずるいよ。



この日から私の心は大きく変化することになる。
< 32 / 290 >

この作品をシェア

pagetop