Perverse
なんとなくモヤモヤした気持ちが拭えないまま、残業時間へと突入してしまった。



暫くすると柴垣くんが外回りから帰ってきて、



「おつかれーっす」



と一声かけると隣の席へとドッカリ座って大きく溜め息をついた。



途端に私はモヤモヤからドキドキに変わったことに焦ってしまう。



もう、本当におかしいんだってば。



「三崎さん、まだかかりそう?」



「はいっ!?」



驚いて顔を上げると、津田さんがこちらを見てニッコリ微笑んでいた。



「終るんだったらご飯でも行かない?」



「えっ…」



正直、この仕事はもうすぐ終わるし、他の仕事は今日中にやらなくてもいい物だけど。



でも…隣の柴垣くんが、どんな顔をしてこの流れを聞いているのかが気になって、どう答えれば正解なのかがわからない。



それに、津田さんからこうやって誘われるなんて今までには無かったこと。



どうしても楓から聞いた事を意識してしまう。
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