私の遠回り~会えなかった時間~
18
ここに気持ちをおいたまま、飛行機で飛び立ってもう一年以上が過ぎた。

「お帰り。」

お父さんとお母さんが温かく迎えてくれた。

あの電話から約2か月。

私は日本に戻って来た。

加代さんと会って、昼から会社でこれからの事を詳しく打ち合わせ。

こちらに泊まる暇もなくて、そのまままた飛行機に乗る予定。

久保さんも木本さんも忙しくて、今回は同行していない。

いや、何としても一緒に行くと言った木本さんを私はなだめて一人で帰る事を決めたのだ。

「すぐに戻ってきます。」

そう告げて。

「彬さんは美容院に居るはずだから安心して。とにかく加代さんが待っているわ。」

お父さんの運転する車に乗って私はすぐにウトウトしてしまう。

< 197 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop