私の遠回り~会えなかった時間~
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目標を持って仕事をこなすというのは、こんなに気分的に違うものなのだろうか。

それまではどちらかと言えば無機質な表情のないポスターの評判の良かった私だったが、最近は笑顔のものも受け入れられるようになって来た。

お蔭で、起用されるイメージが広がった。

あれからあっという間に5年が過ぎようとしている。

今日は珍しく着物での撮影だった。

着物ならば自分で着られるので自ら支度をした後、念のため久保さんのチェックを受けた。

「本当に上手に着付けが出来るのね。今日も完璧よ。」

そう言って久保さんは褒めてくれた。

「そうそう、今日のメイクは私じゃないのよ。」

それは私がこの仕事を始めてから初めての事だ。

「会社から一流のスタイリストさんに来てもらったの。」

「でも今日は…。」

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