私の遠回り~会えなかった時間~
「そんな冗談辞めて下さいよ。」
でも浜田さんの表情は変わらない。
「今まできちんと仕事を覚えて欲しいから、しっかりガードしていたのに。」
私のきょとんとした顔を見て、浜田さんは諦めたように笑った。
「まあ、今日一日で自分でも分かるわよ。さっ、早く会社に入りましょう。」
私達は二人で連れ立って、会社の社員用の裏口へ向かった。
「ほら。」
総務のオフィスに入ってデスクに着くと、浜田さんは笑う。
ん…。
確かに今日はいろいろな人に挨拶をされた。
いつもは下っ端の私からなのに、さきに声を掛けられるのが妙に多かった。
でもそれは男性社員ばかりではなく、女性社員からもだ。
そしてみんなニッコリと笑顔を向けてくれた。
「その髪型、女性受けも良かったわね。」