君の日々に、そっと触れたい。

「俺、浩平」

「俺は太陽な!」

屋上につくと、いつも賢太郎が一緒に昼飯を食べてる友達二人が待っていて、俺を歓迎してくれた。

真面目そうなメガネで大人っぽい浩平と、明るくてわんぱくそうな太陽。
また友達が増えた。


「そう言えば李紅、考え事ってなんだ?」

「へ?」


急な問いかけに思わず素っ頓狂な声を出すと、賢太郎はほらさっきのだよ、と催促した。


「ああ……ちょっと友達のこと考えてた」

「友達?お前、俺と女以外に友達居たのか?」

「失礼だな賢太郎。てゆうか女だよ、その人も」

「なんだ結局女かよ。これだから美形は。滅びろ」

「よせよ太陽、異国の血が混じってんのに適うわけないだろ?」

「そーゆう問題かよ。ならお前はまずそのやぼったいメガネと決別したらどうだ?」

「やぼっ………これは俺のチャームポイントだろ!?」

いつのまにかしょーもない言い合いになっている太陽と浩平に、思わず くすりと笑みが零れた。

それを見た太陽と浩平は、何故かピタリと言い合いを止め、ぽかんとこちらを見つめている。


「………どうした?」


「いや…お前、そんな風に笑えるんだな………」


「は?」


いやどうゆうことだよ、普通に笑うし。

そう言い返そうとして、はたと気づく。

………確かに。

学校ではこんな風には、笑ったことなかったかも。下手くそな作り笑いしか、してこなかった。


……こんな風に一緒にお昼を食べる友達も居なかったからな……。


変われたのは、賢太郎のおかげだ。

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